ブラックスワン 2019 10 14 National Sports Day
「銀行には、お金がない」
これは、当然であり、
極限まで、お金がない状態にするのが、
銀行経営の「腕の見せ所」かもしれません。
たとえば、預金者から100億円を集めたとしても、
100億円を銀行の金庫に保管していたら、どうなるか。
毎月、従業員には、給料を払わなければならない。
銀行の建物の維持費や光熱費も払わなければならない。
株主に対しては、配当金を払わなければならない。
だから、銀行は、
預金者から集めた100億円を運用して儲けなければならない。
たとえば、融資や投資で儲ける必要があります。
できれば、100億円全額を融資や投資につぎ込んで儲けたい。
しかし、銀行の窓口には、預金者が預金を引き下ろしに来るので、
ある程度は、金庫に現金を残しておく必要があります。
しかし、本音は、なるべく限界まで融資や投資に使いたい。
できれば、100億円全額を運用して儲けたい。
ところが、預金者の個人や企業が、納税などで、
多額の現金を引き下ろそうとすると、
「銀行には、お金がない」ことが発覚してしまう。
そういう事態を防ぐために、
銀行間には、「互助会」のようなものがあります。
つまり、銀行間で、お金の貸し借りをする仕組みがあるのです。
たまたま、資金に余裕がある銀行もあれば、
資金に余裕がない銀行もあるので、銀行同士で助け合うのです。
もちろん、これは、「互助会」のようなものであっても、
慈善事業ではありませんので、
一定の金利をつけて、貸し借りをするのです。
このような金利は、中央銀行の政策金利に近いと思います。
今は、超低金利政策なので、貸し借りの金利も低金利であるはずです。
ところが、たまたま、偶然に、
資金に余裕がない銀行が多数派になってしまうと、
貸し借りの金利が「高騰」してしまう場合があるのです。
超低金利の時代なのに、
金利が高騰するという「あり得ないこと」が起こるのです。
このような「あり得ないこと」が起こらないように、
中央銀行は、細心の注意を払う必要がありますが、
たまたま、偶然に、政府と中央銀行が「政策的な戦争」をしていると、
銀行間の市場(互助会)に「ブラックスワン」が起こるのです。
もちろん、このような現象は、
市民(預金者)には関係ない話ですが、
このようなシステム的な危機が、
市民まで巻き込む「金融危機」を引き起こす可能性はゼロではありません。